文化祭後の天城屋旅館
薄暗い一室。そこに存在するのは一対の男女。適切な関係の人間がこういう場所にいるのであれば何ら問題はなかったが、あいにくと花村陽介と柏木典子はそういう関係ではなかった。生徒と教師。いや獲物と狩人というべきか。先ほどからじりじりとにじり寄られ、後退しているうちに壁際にまで追い詰められた陽介にとって、現在の状況はまさに危機的状況であった。
事の起こりは、天城の奴があのろくでもない部屋に自分達を泊まらせたことである。あんないわくつきの部屋にいられるかと全員で女子達の部屋に侵入したはいいが、どこをどう間違えたのか、蓋を開ければそこは柏木先生と大谷が泊まっている部屋。あわてて逃げ出したもののいつの間にかみんなとはぐれ、一人彷徨っているところを先生に見つかり、そのままずるずるとその辺の一室に連れ込まれ―――そして現在に至る。
追い詰められ壁にへたり込んだ陽介。
「うふふ、逃がさないわよぉ」
にたりと笑い、舐めるようにこちらを見下ろしてくる柏木の姿はさながら肉食獣のようである。
「せ、センセー?先生が生徒に手を出すのは犯罪じゃ……」
「それはね、あなたが黙っていれば問題ないのよ」
教師の発言じゃねーだろ、いいのかこんなのが先生で、などと考えてるうちにもどんどん胸が近づいてくる。
いや正確には先生が、なのだが……つい胸に目が行ってしまう。
(やっぱ、でかいよな……)
普段から谷間や大きさを強調するような服装やしぐさをしているから見慣れていると思っていたが、着崩れした浴衣からのぞく胸元というのはまた違うエロさがある。陽介の視線の先に気が付いた柏木の目が妖しく光る。
「どうしたの。私のおっぱい、そんなに興味ある?うふふ」
そういって、すでに半分はだけている浴衣の中に手を差し入れ取り出した。薄暗がりの中ではあったが、今までビデオの中でした見たことがないものが目の前に現れる。陽介は初めて目の当たりにする乳房に釘付けになった。
取り出した両手でぐいと押し上げると、陽介の眼前に持ってくる。もう目と鼻の先である。ほのかに香るのは石鹸のにおいだろうか。
「触ってもいいのよ?」
明らかに誘うように言う柏木。陽介は喉をごくりと鳴らした。やるべきか、やらざるべきか……欲望と理性のはざまで葛藤があったが、最終的に眼前にぶら下がったものの魅力には抗しえなかった。
(据え膳食わぬは男の恥、って言うし、な)
恐る恐る手を出す。軽く揉んでみた。思っていたより柔らかい。もう少し揉んでみた。なんかマシュマロみたいっつーか。我知らず、指先や手のひらからの感触を味わうのに夢中になっていたが、柏木の言葉で我に返った。
「あんまり強く揉んじゃだ・め」
「あ、すんません……」
「下の方から持ち上げるように掌で優しく揉むのよ」
「こ、こうすか?」
言われたとおりに手を動かしてみる。今回は先程とは違って、きちんと相手に快楽を与えることができたようで、
「そう、花村君……上手ね」
答える柏木の声は艶を増していた。
「まずは外側からね、徐々に内側へ……そうそう、いい感じよ……」
声に吐息が混じりはじめている。段々内側へ向かう手の指が乳輪に触れそうになった頃。
「……ねえ、乳首、舐めて」
触りたいのを我慢していた部分にやっと許しが出た。心なしか尖ってきている気がする乳首に、唇が触れるほどにまで顔を近づけるとそっと口を開く。自分の口内が粘ついているを感じた。
(俺、ひょっとしなくても実はすげー興奮してんのかな)
そんなことを考えながら、口に含んだ。
「ここも基本は優しく、ね」
柏木が甘く囁く。
「まずは舌でちろちろと優しく転がすように……ああ、そう、よ、んんっ」
言われるまま舌で転がすと、柔らかかった乳首が硬くなってきた。耳元に振り下りてくる声が艶めかしい。この官能的な声を上げさせているのが自分だと思うと、行為にも熱が入った。
「ん、はぁ……いい……わぁ」
よがり声を聞くのがこんなに心地いいとは。舐めたり、吸ったり、甘噛みしてみたり。何かするたびに反応してくれるというのが、こちらの支配欲を刺激する。胸を揉むこと、乳首を吸うこと、先生によがり声を上げさせることに熱中していると、ふと、太ももあたりをまさぐられる気配がした。
パンツからしっかり勃ってたものを取り出されて掴まれる。 ゆっくりとしたストロークからだんだん早く。亀頭を生暖かいもので包まれたときは思わず声が出そうになった。
「……っ……!」
手の動きに合わせて口も動かしてくる。指の腹で竿の筋を、唇の内側でカリを引っ掛けるようにされると疼くような快感がつきあげてくる。もう片方の手は玉の方を揉んできた。
「っは、せ、センセー……」
「……ん、なあに?」
上から声する。
「……」
おかしい。よく考えたらこの姿勢で胸を愛撫していたら、先生が自分のをフェラできるはずがない。ということは、今自分のを咥えているのは先生じゃない?
「せ、先生、うう、うし、ろ……」
思いもよらぬ第3者の存在にパニックになりながら、しどろもどろに陽介は言う。
「後ろ……?ああ、大谷さんよ」
後ろを振り向いた柏木がこともなげに口にした言葉の殺傷力は抜群であった。一瞬にして思考がスパークする。
「!?」
「ほら、ね」
柏木が立ち上がり、目の前の視界が開ける。いくら薄暗いといっても自分の足元ぐらいまでは見える。確かに自分の一物をおいしそうに頬張っているのは大谷花子その人であった。
「ぎゃーーーーーーー!!!!、って、っくああっ」
己の絶叫と大谷の最大ストロークが重なる。もともと限界寸前だった一物はそのまま暴発し、情けなくも大谷の口の中で果てた。
「ちょっと!そんなに大きな声を出したら……」
ぱたぱたと遠くからこちらに向かってくる足音がする。柏木は舌打ちすると、
「ずらかるわよ、大谷さん」
言うなり足音とは逆方向に去っていく。大谷は陽介の出したものを全部飲み込むとにんまりと笑って、
「おいしかったわよぉ、また続きしましょうねぇ」
恐ろしいセリフを吐いたのち、柏木のあとを追って去った。
(……俺は……大谷と……)
「おい、陽介、おいっ、大丈夫か?」
(……大谷の、口で……)
駆けつけてくれたのは月森で心配してくれるのはありがたかったが、当分立ち直れそうな気がしない陽介であった。
書いた後に思ったんですけど、大谷さんってそういえば主人公に好意を寄せてたような……まいいか(苦笑)。柏木先生はモロキンと違って憎めなくて好きです。
是非とも柏木先生とタイマンで本番までやってほしかった
というよりも本番有りの方も見たいです