完二と直斗


「逃がしませんよ……今逃げられたら、僕だけが弱みを握られたことになる」
「お、俺はそんなこと……っ」
「巽君のそういう所、信用していないわけではないんですけど、念には念を……ね?」
 直斗の手が完二の頬に触れる。
「な、直斗……」
「ふふ、そんな顔しないでくださいよ。そんな顔をされたら僕……」
 ただでさえ近い直斗の顔が、更に近づいてきた。

 言わないと約束したことを口外しないといったことに関しては、悪いけど完二の方が陽介より信用できる気がする。

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